五十肩(凍結肩)の原因や頻度は?専門医が解説

こんにちは。札幌市豊平区の日本整形外科学会専門医、日本整形外科学会スポーツ医の合六孝広です。

中高年で肩の痛みにお困りの皆様!肩の痛みと言えば、五十肩を思い浮かべる人が多いと思います。

この記事は以下の人におすすめ!

・肩の痛みが続いている人

・病院で五十肩かもしれないと言われた人

この記事を読めば五十肩の原因、どのくらいの確率でなるか、などがわかります。

用語解説

拘縮

靱帯や筋肉、皮膚などの軟部組織が原因で関節の動きが制限されることです。

原因

不明です。皆様は、「えっ!なんだ、それ」と思うかもしれません。

もともと五十肩は、「はっきりした原因のない、肩関節の動きが制限される」状態に対してつけられた病名です。つまり、一次性拘縮肩の別名が、五十肩なのです。

もし何か原因があって肩関節が拘縮しているなら、それは二次性拘縮肩という病名になります。

現在のところ、「五十肩!肩がどうなっている?専門医が解説」の中で解説したように、肩の関節包が炎症、線維化、軟骨化生(軟骨の成分が増加する)することなどがわかってきてます。ただ、「どうしてそういうことが肩関節に起こるのか?」が、解明されていません。

ちなみに

最近、日本肩関節学会で一次性拘縮肩に対する正式な病名として「凍結肩」を採用しました。今後、この病気に対して「五十肩」、「肩関節周囲炎」、「癒着性関節包炎」と言う言葉は、徐々に使われなくなっていくと思われます。

疫学

まとめると下表のようになります

発症率2~5%
性別60~80%が女性
年齢40~60歳代に多い
左右左にやや多い
遺伝傾向あり
再発まれ

各項目に関して解説していきます。

発病率

全人口の2~5%という報告があります。

性別

60~80%が女性という報告があります。私の印象としては、男女差はあまりないです。

年齢

40~60歳代に多いとされています。ただし、70歳代の方もかなりいます。25年前と比べると増えてきているというのが、私の印象です。糖尿病など、五十肩の危険因子を持つ方が、増えたためかもしれません。

左右

非利き手にやや多いという報告があります。右利きの方がほとんどなので、左がやや多いことになります。

遺伝傾向

両親、子供、兄弟に五十肩になった人がいると、確率が一般の人より4倍高くなるという報告があります。

再発

再発することは、かなり稀です。ただし、もう一方の肩も発病した人が36.7%という報告があります。可能性が高くなるのは、糖尿病の人、50歳未満で発病した人です。発病から5年以内にもう一方の肩が発病します。

まとめ

五十肩の原因、頻度、どんな人が発病しているかご理解いただけたでしょうか?
この記事を読んで「五十肩かも?」と思った方は、まずは病院で診察を受けることをお勧めします。

今後、五十肩の診断、治療などに関する記事を書いていく予定です。そちらもご覧ください。

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